家事代行の料金相場は?類似サービスと比較して解説

必要なタイミングで利用できる家事代行は、忙しい人にとっても利便性の高いサービスのひとつです。一方で、業者によって料金設定が異なるうえ、ハウスクリーニングや家政婦(夫)などの類似サービスがあることから、どの業者を選べばよいか判断がむずかしいケースも少なくありません。
この記事では、家事代行の料金相場にくわえて、類似サービスとの違いやそれぞれの料金相場を紹介します。求めているサービスや利用頻度に応じて、適切なサービスを選ぶための参考にしてください。

目次

家事代行を利用する際の料金相場とは

家事代行の料金は、利用時間から発生する基本料金とスタッフの交通費をはじめとする追加料金やオプション料金で決まります。また、家事代行にはスポット依頼と定期依頼の2つの利用方法があることが一般的です。それぞれの料金相場を把握したうえで、予算や利用頻度に応じた家事代行業者を選びましょう。

スポット依頼における家事代行の基本料金の相場

家事代行を利用したいタイミングで都度依頼する方法をスポット依頼、もしくは単発依頼といいます。忙しくて溜め込んでしまった家事をまとめて片付けたい場合や、来客のある日のために部屋をキレイな状態にしたい場合など、状況に応じて柔軟に利用できる点がスポット依頼の特徴です。

1時間あたりの料金相場は2,500円から4,000円程度ですが、多くの家事代行では最低利用時間が設けられています。最低利用時間は2時間から3時間程度が一般的であるため、1度の利用で5,000円から12,000円程度はかかると考えておくとよいです。くわえて、スタッフの交通費などの追加料金やオプション料金が発生する場合があります。

料金設定や追加料金が発生する条件などは家事代行業者によって異なるため、依頼する前に料金や規定について確認しておくことが大切です。

定期依頼における家事代行の基本料金の相場

家事代行を月に数回、定期的に依頼する方法を定期依頼といいます。週に1度のペースで掃除や料理の作り置きを依頼したり、2週間に1度のペースでしっかりと部屋の掃除を行いたかったりする場合など、毎日の家事の負担を軽減させたい利用者に適した依頼方法です。スポット依頼よりも1時間あたりの料金を抑えられるケースがあるので、定期的に家事代行を依頼したい場合は料金の比較をしてみることをおすすめします。

以下は、家事代行を定期依頼した際の料金相場です。

利用頻度料金相場
月2回の利用13,000円~20,000円
月4回の利用24,000円~36,000円

スポット依頼と同じく、スタッフの交通費をはじめとする追加料金やオプション料金が発生する場合があるので注意が必要です。また、家事代行サービスで得られる満足度は、スタッフとの相性やスタッフが行うサービスの質で変わります。そのため、いきなり定期依頼を開始するのではなく、スポット依頼でサービスの質などを確認してから定期依頼の利用を検討するとよいです。

発生しやすい追加料金やオプション料金の料金相場

家事代行では1時間あたりの基本料金のほか、依頼内容や依頼する時間帯によって追加料金などが発生するケースがあります。なかでも、スタッフの交通費を別途必要とする家事代行業者は少なくありません。以下は、追加料金やオプション料金の相場です。

内容料金相場
スタッフの交通費1,000円
スタッフ指名料(1時間あたり)0円~500円
鍵の預かりサービス(月額)0円~1,000円
延長料金(30分あたり)1,500円~2,000円
深夜や早朝の割増料金25%

家事代行業者によって料金や追加料金の発生条件が異なるため、利用前にしっかりと確認することが大切です。よくある家事代行トラブルのひとつとして、利用者の確認不足やスタッフの説明不足などが原因で、想定していなかった追加料金やオプション料金が請求されるトラブルがあげられます。基本料金だけを注視するのではなく、追加料金やオプション料金の確認を怠らないようにしましょう。

データでみる、家事代行の利用頻度と費用相場

近年、家事にかかる負担の大きさが注目されるようになりなりました。家事をアウトソーシング(外部委託)する流れも広がっており、家事代行サービスの利用者も増加傾向にあります。

たとえば、過去に実施された市場調査データによると、掃除や食器洗いなどの清掃関連を依頼する利用者が多く、次いで料理の作り置きなどの料理に関する依頼が人気です。利用頻度としては、月に1度程度のスポット依頼が多く見受けられ、1度の利用にかける費用は3,000円未満であるとの結果がでています。また、仕事や育児で家事が回らなかったり自分の時間を確保したりするために家事代行の利用を希望する傾向にあり、とくに30代女性の利用意向が高いです。

月に1度程度のスポット依頼であれば金銭的に大きな負担となりにくいといえるため、心身の余裕を得たり時間を有効活用したりすることを目的に家事代行を利用してみるのもよいでしょう。

参考:独立行政法人中小企業基盤整備機構/市場調査データ 家事代行(2022年版)

https://j-net21.smrj.go.jp/startup/research/service/cons-housework2.html

家事代行の類似サービスとの違いと、それぞれの料金相場

家事代行と類似しているサービスとして、ハウスクリーニングと家政婦(夫)があげられます。それぞれ得意とする分野や料金相場が異なっているため、必要に応じて使い分けることが大切です。利用したい頻度や予算など、総合的にみて利用するサービスを検討することをおすすめします。

家事代行で依頼できるサービス内容

家事代行は、利用者の自宅などに訪問して家事を行うサービスです。利用者が所有する道具を使用して、一般的な家事の範囲で作業が行われます。以下は、家事代行で依頼できる代表的なサービスです。

・キッチンなどの水回りや部屋の掃除
・部屋の片付け
・洗濯やアイロンがけ
・料理や料理の作り置き、食器洗い
・食料品や日用品などの買い物
・植物への水やり
・ゴミの分別やゴミ出し

一般的な家事は、依頼可能だと考えてよいです。ほかに依頼したいことがあれば、家事代行業者やスタッフに相談しましょう。ただし、家事代行業者によって追加料金やオプション料金の発生条件が異なる点には注意が必要です。想定していない料金の請求を防ぐためにも、作業を依頼する前に追加料金が発生しないかどうかを確認するようにします。

家事代行で依頼できないサービス内容

一般的な家事を行ってくれる家事代行ですが、専門性のあるサービスや人に対して行うサービスは基本的に依頼することができません。以下は、家事代行では依頼できないとされているサービスです。

・専門知識や専用道具を使用する家事(ハウスクリーニングと同等の掃除)
・介護や介助業務
・看護や医療行為
・ベビーシッターや子守
・ペットの散歩
・危険を伴う、高所などの作業
・家庭教師

家事代行はあくまで、利用者の家にある道具を使用して一般的な家事を行うサービスです。そのため、専門道具や特殊な薬品を使用しなければならない頑固な汚れの完全除去などを家事代行に求めることはできません。家事代行が行える範囲を理解したうえで、サービスを利用しましょう。

家事代行とハウスクリーニングの違いと料金相場

家事代行と同じく、利用者の自宅などを訪問して掃除を行うハウスクリーニングは、家事代行と混同されやすいサービスのひとつです。家事代行とハウスクリーニングの大きな違いとして、専門性があげられます。
家事代行は、利用者の所有する掃除用具や洗剤を使用して、一般的な家事で行うレベルの掃除を行うサービスです。一方、ハウスクリーニングは専門的な知識や技術をもつスタッフが、専門道具や特殊な薬剤を使用して掃除を行います。たとえば、カビをはじめとする頑固な汚れやエアコンの分解掃除などを依頼することが可能です。
また、ハウスクリーニングでは、部屋の広さや掃除を依頼する設備ごとによって料金設定が異なります。以下は、部屋の広さごとのハウスクリーニングの料金相場です。

間取り空室時の料金相場居住中の料金相場
1R、1K15,000円~32,000円15,000円~35,000円
1DK、2K18,000円~36,000円24,000円~37,000円
1LDK、2DK23,000円~45,000円32,000円~49,000円
2LDK、3DK39,000円~67,000円47,000円~80,000円
3LDK、4DK47,000円~88,000円57,000円~93,000円
4LDK、5DK~62,000円~100,000円~

ハウスクリーニングでは、家具をはじめとする物の有無によって料金が異なるケースが一般的です。物がある状態だと移動させたり養生させたりする手間が発生するため、料金が高くなる傾向にあります。また、戸建て住宅や集合住宅によって料金設定が異なるケースもあるため、事前確認が必要です。
続いて、場所や設備ごとのハウスクリーニングの料金相場として以下があげられます。

場所、設備料金相場
浴室12,000円~18,000円
キッチン12,000円~20,000円
換気扇7,000円~15,000円
トイレ6,000円~9,000円
洗面所6,000円~9,000円
エアコン8,000円~15,000円
床のクリーニング(6畳)9,000円~15,000円
窓ガラス、サッシ1式3,000円~11,000円
カーペット20,000円前後
壁紙5,000円~16,000円

家事代行の料金相場は、1時間あたり2,500円から4,000円程度です。一般的な家事で行うレベルの掃除を希望する場合は、ハウスクリーニングよりも家事代行のほうが出費を抑えられるといえます。一方で、大掃除などで徹底的に掃除をしたい場合や、エアコンの分解掃除などのむずかしい掃除を依頼したい場合は、ハウスクリーニングを利用するとよいです。

家事代行と家政婦(夫)の違いと料金相場

家事代行と家政婦(夫)は共に、利用者の自宅などを訪問して掃除や料理などの家事を行うサービスです。家事代行と家政婦(夫)との違いとして、以下があげられます。

 家事代行家政婦(夫)
利用頻度・スポット依頼 ・定期依頼(月2回~4回程度)月契約など、長期的な利用
契約方法基本的に業者と契約個人契約
料金相場時給2,500円~4,000円・時給制:2,500円~4,000円 ・日給制:13,000円~15,000円 ・住込制(日給):20,000円~35,000円程度

気軽に利用しやすいのはスポット依頼が可能な家事代行であり、家政婦(夫)は長期的に家事のサポートを受けたい場合に適したサービスだといえます。また、家政婦(夫)はスタッフと個人契約を結ぶことが一般的です。同一スタッフに家事を依頼するため、サービスの質が安定したり信頼できるスタッフに家事を任せられたりするメリットがあります。

ただし、個人契約ではトラブルが発生した際、個人間での解決が求められるため注意が必要です。家事代行でトラブルが発生した場合、業者が仲介役となってトラブルの解決が進められたり、業者が加入している損害賠償保険をとおして弁償や補償が行われたりしますが、家政婦(夫)には仲介役となる存在がありません。家政婦(夫)によっては、損害賠償保険に加入していないケースもあるので、トラブル発生時のリスクを理解したうえで利用するとよいです。

家事代行を相場よりも安く利用する方法

家事代行は利便性の高いサービスですが、1度の利用で5,000円から12,000円程度が必要です。金銭的負担を軽減するために料金設定が安い業者を選ぶ方法もありますが、いくつかのポイントをおさえることで相場よりも安く家事代行を利用できる可能性があります。

平日昼間に依頼して相場よりも安く利用する

平日昼間をはじめとする、割増料金が発生しない時間帯に家事代行を利用することで、相場よりも料金を抑えられるケースがあります。一方で、土日祝日や早朝・夜間は割増料金が発生して、相場よりも利用料金が高くなりやすいため注意が必要です。

仕事などによって平日昼間に在宅できない場合は、不在時サービスのある業者を選ぶ方法があります。不在時サービスは在宅時よりも、盗難などのトラブル発生リスクを上げる可能性が考えられますが、金庫を利用したりカメラを設置したりすることでリスクを低減させることが可能です。安全性やリスクなどを考慮したうえで、不在時サービスを上手く活用しましょう。

定期依頼やまとまった時間の依頼で相場よりも安く利用する

家事代行業者によっては、スポット依頼よりも定期依頼のほうが1時間あたりの利用料金が安い場合があります。また、以下を理由に、少ない時間で何度も利用するよりも、まとまった時間で依頼するほうが安く利用できるケースも少なくありません。

・依頼するたびに発生するスタッフの交通費を削減できる
・利用時間によって割引が適用されるケースがある

家事代行は依頼の仕方によって、相場よりも安く利用できる可能性があります。依頼したい内容や、家事代行によって維持したい部屋のキレイさなどの希望をまとめておき、家事代行業者にお得に利用できる利用方法を相談するのもひとつの手です。

手が回らない家事だけを依頼して相場よりも安く利用する

利用時間が長くなるほど料金が高額になる家事代行では、依頼する内容を絞ることで料金を抑えられます。たとえば、水アカをはじめとする頑固な汚れが発生しやすい水回りの掃除や、食料の買い出しを含む料理の作り置きなど、手間がかかったり負担の大きかったりする家事に絞って依頼するのもよい手です。

また、依頼内容を得意とする業者やスタッフを選ぶことで、依頼時間を短縮できる可能性があります。相場よりも料金を抑えることがむずかしかったとしても、豊富な知識や高い技術によって料金以上のクオリティが期待できるかもしれません。

料金相場を知って満足度の高い家事代行業者を選ぼう

料金によってサービスの良し悪しを判断することはむずかしいといえます。しかし、高すぎる料金設定だと家事代行を利用しにくく、安すぎる料金だとサービスの質に不安を感じる人も少なくありません。そのため、家事代行を利用する際は料金相場から適正価格を知ったり、サービス内容や口コミなどの評判を確認したりして業者を選ぶことが大切です。

また、家事代行業者やスタッフによって得意とするサービスが異なる場合があります。家事全体を依頼したい場合は柔軟性のある業者を選び、とくにサポートを受けたい家事があればその家事を得意とする業者を選ぶ方法も、高い満足度を得るためのひとつの手です。複数の業者を比較して、自身に適した家事代行業者を選びましょう。

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